ガラナの素顔
ガラナは中南米アマゾン地域が原産のムクロジ科のつる性の植物です。 高さは2mほどの灌木ですが、つるは20m近い高さにまで伸びます。 7~8月に白い花が咲き、そして実がなります。 もともと、古来よりブラジルでは、インディオがガラナの種を不老長寿の秘薬として用いてきた歴史があります。
現地では、ガラナをちょうど日本の緑茶みたいに、日常の飲み物としても長いあいだ親しんできました。 ガラナはアマゾンの一部にしか自生していないため、インディオは通貨の代用として用いていたともいわれています。
現在も熱帯雨林以外のところで栽培が試みられているものの、部分的にしか成功していないとのことで、非常に希少価値が高い植物だともいえます。 インディオは、ガラナの種を砕いたものを炒り、キャッサバから取れたデンプンとともに水で練って円筒形にし、煙でいぶして乾燥させて保存食としていました。
これがガラナエキスで、一般的に「ガラナ」というと、これを指すようです。 (ちなみに、現在、サプリメントの原料として用いられているガラナエキスは、ガラナの種から水やアルコールで抽出されたもので、成分は同じですが、伝統的なガラナエキスとは異なります。)
ガラナのヒミツ、グァラニンとは?
ガラナの種には「グァラニン」という成分が7%ほど含まれています。 これがガラナが神秘的なものとされてきた秘密です。 グァラニンは、カフェインに類似した成分で、カフェイン、テオブロミン、テオフィリン(これらをキサンチン誘導体と呼びます。)が混合しています。
カフェインには興奮作用、テオブロミンには利尿作用、テオフィリンには気管支拡張作用がありますが、グァラニンは代謝が遅いため、とくに軽い興奮作用が長時間持続するという特徴があります。
ブラジルの伝統的な民間療法では、ガラナをすりつぶして水と混ぜたものを心臓病、リウマチ、発熱、偏頭痛、慢性の下痢、利尿、暑気あたりなどのほか、強壮薬、催淫薬としても用いています。 しかし、ガラナが世界的に有名になったのは、コーラのフレーバーとして用いられたことからかもしれません。
ところで、「ガラナ」と聞くと、北海道限定販売のガラナ飲料のことをまず先に思い浮かべる方も多いのでは? じつは、これ、日本でコーラが輸入解禁となる前の昭和30年代に、コーラへの対抗策として開発されたもの。
北海道だけはコーラの上陸が本土よりもかなり遅かったため、その間にガラナ飲料が定着した。 これが今でも作られている理由なのだとか。 ただ、残念なことに、ガラナ飲料では配合量的に疲労回復程度の働きしか期待できませんが…。
Hとガラナの関係とは?
ところで、20年ほど前、ガラナがエッチ系の素材として密かなブームとなったのをご存じですか?
それは、ガラナの粉末やアルコールで抽出した液体の通信販売での話。 "デートのときにカップルで一緒に飲むと、あら不思議。いつも以上に盛り上がる…"そんなコンセプトでした。
これは極端な話とはいえ、ガラナには軽い興奮作用や催淫作用があるのは事実。 エッチの前にガラナを召し上がっておくと、女性・男性を問わず、より充実したセックスになることは多分間違いないでしょう。
セックスに物足りなさを感じる場合、彼氏と一緒にガラナを飲んでみては!?
薬剤師。1969年東京薬科大学卒業。
1992年伝説のクイズ番組『カルトQ』(フジテレビ系)で最高得点を記録し優勝。これまで、調剤薬局運営や薬剤師ライターとして多数の健康雑誌に連載を持つなど活躍。