前回ご紹介した4種に加え、今回ご紹介する5種を合わせて、黄素妙論の全9体位となります。早速ご紹介しましょう。
黄素妙論の体位 その五 亀騰勢(きとうせい)
女性を仰向けに寝かせ、男性はその両脚を、女性の肩の方まで押し倒します。そうしてペニスを挿入すると、女性は激しく興奮し、愛液を溢れさせるでしょう。
俗に言う「まんぐり返し」での挿入です。正常位のバリエーションですが、女性器が完全に顕わになる恥ずかしさが、クセになる女性もいるでしょう。
亀の名が付いています。
黄素妙論の体位 その六 鳳翔勢(ほうしょうせい)
女性はベッドの上に横向きに寝て、両脚を両手で抱え込みます。男性はベッドの脇に立ち、ペニスを深く挿入して、ヴァギナの奥を左右に突きます。女性が自分から腰を左右に動かしはじめたら、男性は九深八浅(別項)の法をおこなってください。この体位は、陰陽の秘術を尽くした口伝です。
側位のバリエーションで、男性の上下が女性の左右に当たることで、普段とは違う刺激が得られます。
鳳凰(ほうおう、伝説の鳥)の名が付いています。
黄素妙論の体位 その七 兎いん勢
男性は仰向けに寝て両脚を伸ばし、女性は男性の足の方を向いて、腰の上に座ります。女性はペニスを握って、その先端でクリトリスや膣口を刺激します。女性が潤ったら、男性はペニスを深く差し入れ、ピストン運動をおこないます。特に女性の快感が大きい体位です。
後ろ向きの騎乗位(背面騎乗位)です。兎の名がついています。
黄素妙論の体位 その八 魚接勢(ぎょせつせい)
これは女性二人、男性一人の複数人プレイのための体位です。男性はすぐには射精しないよう気をつけて…との注意書きがあります。
戦国時代に複数人でのセックスがどのくらいメジャーだったかは不明ですが、『黄素妙論』は、「女性のエネルギーをセックスで男性に取り込む」健康法の本でもあるので、複数の女性からエネルギーをもらおう、という発想になるのはうなずけるかもしれません。これには魚の名が付いています。
黄素妙論の体位 その九 鶴交勢(かくこうせい)
男性は壁に寄りかかって座ります。女性は男性の首に手をかけ、右足を男性の腰に絡めて回します。男性は女性の左足を自分の右肩に乗せます。男女がしっかりと体を合わせ、女性はペニスで膣口やクリトリスを刺激します。女性が潤い、男性のペニスが硬くなったら、少し深く挿入して静かに動かし、九浅一深(別項)の法をおこないます。すると陰陽が巡り、男女共に満足して、健康が得られるでしょう。
説明しづらい体位ですが、女性の片脚を高く上げた立位を、男性が座った状態でおこなう感じでしょうか。
鶴の名前が付いています。
いかがでしょうか。現実味のない複数人プレイはともかく、中には今晩にも試せそうな体位もありそうです。戦国時代に思いをはせつつ、トライしてみてはいかがでしょうか。
1970年生まれ。1996年より、漫画原作者として活動。2009年、日刊誌連載「日本性史」にて、アダルトライターとして活動開始。
スマートフォンアプリ「セックスの日本史」、女性向けWEBサイト連載「蔦葛物語」「オンナとオトコの日本史/世界史」などの著作がある。