『茶臼のばし（ちゃうすのばし）』は騎乗位のバリエーションの一つで、特に強い膣の締まりを感じることのできる体位です。

茶臼のばしの姿勢に移行するのは難しくありませんが、ピストンに難あり。そのかわり、茶臼のばしは体全体が密着していて安心感や幸福感、お互いの愛情を伝えやすい体位です。

茶臼とはお茶の葉をすり潰す石臼（いしうす）のこと。粉になった茶葉がこぼれないように、茶臼の下には受け皿があります。この茶臼を横から見たシルエットが騎乗位のように見えることから、48手では茶臼と言うと騎乗位をさすようになりました。

騎乗位のやり方

茶臼、つまり騎乗位の状態から女性の脚を伸ばした姿勢が茶臼のばしです。その姿勢になることで得られるメリットとデメリットはさまざま。

メリットを最大限活かしつつデメリットを克服できれば、騎乗位から手軽に移行できる気持ちいい体位として、セックスがよりバラエティ豊かになるでしょう。

茶臼のばしはピストン運動がしづらい体位ですが、逆に男性が動きやすい「松葉崩し」という体位もあります。松葉崩しは、茶臼のばしから男女の体勢を上下に入れ替えて行います。女性が中イキしやすく、男性が動きやすいのが特徴です。気になる方は下記記事のやり方を参考にしてみてください。

松葉崩しのやり方

茶臼のばしのやり方はとても簡単！まず騎乗位の姿勢になって、ペニスを挿入したまま女性が体を前に倒します。男性と体を密着させたら、今度は両脚を伸ばして茶臼のばしの姿勢になります。

高まる鼓動をお互い感じ取れるほど、体が密着するので安心感や幸福感に包まれるのが特徴です。

茶臼のばしは女性の両脚を閉じた状態で足を伸ばす姿勢になるので、膣の締まりが良くなります。そんな茶臼のばしの締まりをさらに実感するには、まず騎乗位でセックスを楽しむのがおすすめ。

騎乗位の48手である『時雨茶臼（しぐれちゃうす）』や『百閉（ひゃくへい）』を楽しんだら、いよいよ茶臼のばしへ。騎乗位との挿入感を比べれば、その違いはすぐにわかるはず。

茶臼のばしは挿入の難しい体位。女性のが両脚を伸ばした状態でペニスを挿入しようとすると、お互い体の自由がきかない上に太ももが邪魔をして、とても挿入しにくいんです。

茶臼のばしの姿勢からセックスを始めるよりも、騎乗位の姿勢から茶臼のばしへ移行した方がスムーズ。騎乗位からならペニスを挿入したまま茶臼のばしの姿勢になれます。

茶臼のばしの難点はピストンがしにくいこと。性優位であるはずの騎乗位なのに、女性は両脚を伸ばすので女性主導のピストンができなくなります。女性は主導権を男性に委ねて、ペニスが膣壁を押しのける感覚を楽しみましょう。

男性も女性が体に乗っているので腰を動かしにくい上に、挿入が浅いためピストンのストロークが短くなりがち。

そのぶん、女性の脚が閉じられていることによる膣の締まりをたっぷり感じれるでしょう。早いピストンや激しいピストンではなく、ゆっくり腰を動かした方が茶臼のばしを楽しめます。

なぜなら膣の締まり具合を感じる以外に、熱いキスをしたり、お互いの体をきつく抱きしめ合う密着感はゆったりした動きの方が向いています。

男性は両脚を大きめに開いて、ヒザを立てれば腰を動かしやすくなります。

茶臼のばしはアレンジの難しい体位です。

茶臼のばしの最大の特徴であるきつい膣圧を維持するには、女性の脚を閉じて足をのばす姿勢は変えられません。体の密着感を維持するには女性は体を倒す必要があります。

姿勢を変えてしまうと、せっかくの茶臼のばしのメリットが損なわれてしまうので、アレンジを楽しむよりも、茶臼のばし本来の快感を楽しんだ方が無難でしょう。

茶臼のばしで愛撫するならキスは絶対に外せません。お互いの顔が至近距離にあり、体が密着している状態にもなれば、無意識に唇を奪いたくなるもの。

男性から見て目の前にある女性の唇は官能的になるもの。茶臼のばしの満足度を高めるために、リップケアはおすすめです。

茶臼のばしなら、耳元で愛をささやくことができます。甘い吐息も、火照った体の体温も、すべて余すことなく感じることができます。男性も女性も両手で相手の体をきつく抱きしめ合えば、深い愛情と安心感を得られるはず。

女性は男性を抱きしめる以外にも、頭を撫でたり、耳に息を吹きかけたり。男性の耳元で喘ぎ声を聞かせれば、それも立派な愛撫。男性をさらに官能的な衝動にかきたてることができます。

男性は女性を抱きしめる以外に、お尻を抱えて自分に引き寄せて固定すれば挿入感がさらに高まります。ですが女性にとっては抱きしめられたり、頭を撫でられたり、熱いキスをする方が嬉しいもの。男性は心で女性を抱くつもりで茶臼のばしを楽しみましょう。

茶臼のばしは挿入が浅めの体位ですので、大きく腰を動かすとペニスが抜けてしまうことがあります。

一度抜けたペニスを再び挿入することは難しく、場がしらけてしまうことも。強い刺激を求めるあまり、激しく腰を動かしてペニスが抜けてしまっては本末転倒です。

また、女性側は足をピンと伸ばした「足ピンの体勢」になりますが、癖にならないように注意が必要です。 足ピンでイクことが当たり前になると、足をピンと伸ばせない体勢で絶頂できなくなる可能性があります。 詳しく知りたい方は、下記記事も参考にしてみてください。

足ピンオナニーとは？脚ピンに慣れるとセックスでイケなくなるって本当？ | 夜の保健室

茶臼のばしは騎乗位でありながら男性に主導権を渡すことになりますが、男性に体をピッタリくっつけて得られる高い密着感が嬉しい体位。

お互いきつく体を抱きしめ合ったり、奪い合うようにキスをしたり、愛の言葉を交わしたり、茶臼のばしを通して心のやりとりができる安心感と幸福感こそが、女性から見た茶臼のばしの最大のメリットと言えそう。

膣壁を押し分けて挿入されるペニスの感覚も、他の体位に比べて感度が高い一方で、激しい動きは期待できません。 茶臼のばしの前に女性は騎乗位で男性をたくさん攻めた後に、茶臼のばしで体を休めながらも男性との密着感を楽しみましょう。

女性は足を閉じている状態なので、膣を締める括約筋を動かしやすい体勢です。お尻の穴をキュッと締めれば、さらに強い締まりでペニスを刺激できます。

ところが括約筋は排泄の時にしか使われない筋肉なので、上手に使えなかったり筋肉量が衰えてしまいがち。茶臼のばしでは日頃の膣トレの効果が出やすい体位でもあります。男性を喜ばせるために膣トレに取り組めば、お互いにさらに感度が高まり十分な快感を得られるようになるでしょう。

メリットとデメリットがせめぎ合う茶臼のばし。あくまで騎乗位のバリエーションと割り切って楽しむくらいが丁度いいでしょう。

茶臼のばしのメリットは女性にとって魅力的なものばかり。

そのぶん茶臼のばしのデメリットも悩ましいところ。

茶臼のばしは早く激しいピストンをするより、ゆっくりめで小刻みな動きで楽しむのに向いています。締まりの良い状態で挿入しつつ、高い密着感とキスや耳元での囁き、息づかいを楽しむのが茶臼のばしの醍醐味。

挿入の難しさやペニスの抜けやすいところ、ピストンがしにくいところは男性側の慣れや勃起の強さで解消できる部分です。それゆえに茶臼のばしはセックスの中級者向けの体位ですが、デメリットを克服することができれば、お互いにお気にいりの体位になるでしょう。

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。