『百閉（ひゃくへい）』は48手の中でも、私たちが通常のセックスで楽しむ騎乗位のノーマルバリエーションのこと。百閉の由来は中国にあるそうですが、詳細は不明です。

よく似た体位に『時雨茶臼（しぐれちゃうす）』があります。

百閉も時雨茶臼も見た目がほとんど同じ騎乗位の姿勢。どちらも女性に主導権がありますが、ピストンのアプローチにその違いがあります。

時雨茶臼は女性が男性に対して垂直になり、女性のお尻を男性の腰に打ち付けるイメージでアプローチ。男性から結合部がよく見えて、ピストンのたびに愛液が糸を引く様子を時雨に見立てたことが由来です。

女性は全身を上下させてピストンするので、素早い動きができません。その代わり、男性はあらわになった結合部や女性の体のほとんどを見渡せるので、視覚的エロスの強い体位になります。

百閉は女性が前傾姿勢になり、ピストンのときに腰を男性に打ち付けるイメージでアプローチ。時雨茶臼とは違って、女性は腰だけを上下にピストンさせたり、前後にスライドさせてペニスの挿入感を楽しみます。

百閉と時雨茶臼では、百閉の方がピストンのしやすさで優れていて、女性が思う存分に乱れることができる体位といえそうです。

時雨茶臼のやり方

百閉のやり方は、騎乗位の姿勢になれば99％おしまい。残りの1％がとても重要！女性が上半身をまっすぐにすれば時雨茶臼。女性が前傾姿勢になれば百閉になります。

百閉は女性の腰つきがもっとも大切。だから腰を動かしやすいヒザ立ちがおすすめ。両足立ちだと腰が動かしにくくなります。女性は両手をベッドか男性の胸板について、至近距離で男性と見つめ合いながら、体を駆け巡る快感によって変わる官能的な表情や声、吐息をお互いに楽しみましょう。

女性は前傾姿勢になるので、男性からは結合部が見えなくなりますが、女性の顔と乳房が目の前に。積極的に愛撫したり、奪い合うようなキスができるディープな体位なので、「時雨茶臼よりも百閉の方がいい！」という女性は多いかも。

騎乗位のやり方

百閉は女性が激しく腰を動かせる体位。百閉をする前に女性が疲れていては楽しみも半減。女性に負担がかかる体位から百閉をするのは適切ではありません。

それ以外に特に必要な準備はありません。気軽に百閉を楽しめます。

前戯から百閉で挿入するなら雁が首などのフェラチオでペニスをたっぷり愛撫すれば、勃起も強まり唾液で滑りが良くなるのでおすすめ。

女性主導のフェラチオから、女性主導の百閉で男性を攻め続ければ、積極的でテクニカルな印象を与えられます。

百閉は女性の腰つきで百閉の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。

百閉でできるピストンは２通り。1つは腰を上下に振る方法。腰を男性の股間に振り下ろすイメージでピストンするのがコツです。

この方法はピストンのストロークが長くなり、奥まで挿入することができるので、女性は膣内の性感帯に自分好みのアプローチができるようになります。

もう1つはペニスを挿入したまま腰を前後にスライドさせる方法。クリトリスを男性の恥骨に擦りつけるようなイメージがコツです。

この方法はピストンのストロークが失われる代わりに、女性はペニスが膣内をまさぐられるような感覚になり、同時にクリトリスを刺激できます。男性は膣内のうねりの変化を楽しめ、ピストンでは得られない快感が得られます。

女性はどちらの方法も最初はゆっくり、そして動きに慣れてきたら速度を速めていきましょう。ゆっくり腰を動かす女性の姿は、男性から見てとてもセクシーで妖艶に見えるもの。焦る必要はありません。

また百閉中のピストン運動では、「動きの速さ」だけでなく「挿入の角度」も大切です。なぜなら、おへそ側の膣壁を攻められる角度で挿入すれば、Gスポットを刺激できるからです。

百閉の感度を最大限高めたい方は、下記記事で紹介する膣の「上付き」「下付き」の判別方法も参考にしてみてください。

下付きの膣、上付きの膣は位置や角度で判別できる！上つきか下つきかでイキやすい体位に違いも | 夜の保健室

百閉で腰の動きに疲れたら、男性に主導権を渡すこともできます。百閉の姿勢のままでも男性はピストンができますが、どうせなら男性がさらにピストンしやすく、体の密着感も高めることができるアレンジを紹介。

その方法は、女性がそのまま男性に抱きついちゃう作戦！ヒザ立ちの状態から女性が男性に抱きつくと、体の密着感はいっきに増大。

アイコンタクトで愛情の交換をしたら、騎乗位でお預けだった男性の唇を熱く求めましょう。男性も必ず応じてくれるはず。

そして男性の耳もとで、男性の本能に火をつける魔法の言葉を囁きます。「思いっきり抱いて…」男性は一心不乱に腰を激しく動かしてくれるに違いありません。

というのも、この姿勢。男性からすると圧倒的に動きやすいんです。

女性が騎乗位の状態から男性に抱きつくと、男性の腰が女性の体重から解放されます。そして、ペニスの角度と膣口の角度が一致するので、男性のピストンを妨げるものが一切なくなります。

深い挿入感でありながら、力強いピストンを素早く繰り出すことができるので、二人のボルテージは急上昇。肌と肌がぶつかり合う音は、まるで拍手のようにテンポが速くてリズミカル。

男性の耳元で聞く女性の喘ぎ声は、火のついた男性の性欲をさらに高めます。こうなると二人のセックスのテンションはスパイラルアップ。

男性が頑張れば頑張るほど、耳元で聞こえる淫靡な喘ぎ声が艶を増し、男性の性欲をさらに強めていきます。

百閉は男女が向かい合っている姿勢なので多彩な愛撫ができます。

女性はピストンをしつつ、男性の乳首を刺激。男性の髪を撫でて愛でるのも隠れた愛撫法。

男性は女性の乳房や乳首、クリトリスを開いた腕で刺激。愛撫ではありませんが、お互いの両手を恋人繋ぎして百閉をするのも盛り上がります。

百閉のアレンジで紹介した方法なら、体の密着感を楽しみつつキスしたり、耳を愛撫できます。そのときに男性は女性のヒップをマッサージすることもできます。

女性が腰を激しく動かすことのできる百閉ですが、ピストンの時に気をつけたいことが1点。

長いストロークを求めるあまり、ペニスが抜けるギリギリまで腰を動かすのは危険です。ペニスが抜けた瞬間、女性の腰が振り下ろされるとペニスが押しつぶされ、男性は激しい痛みを感じます。

女性もデリケートゾーンにペニスが突き刺さるような痛みがあるので、ピストンのストロークはほどほどの長さに留めておきましょう。

女性の攻めで、男性が快楽で悶える姿を眺めることができるのも百閉の醍醐味の一つ。女性主導の体位の中でも百閉は、バリエーション豊かなピストンが楽しめるので、女性のテクニックで男性の快感が変わります。

上下のピストン、前後のピストン、そして上下と前後を組み合わせたピストン。それぞれのアプローチをスローペースから始めましょう。

時雨茶臼に比べて百閉は、男性から女性の体を見渡すことができない代わりに、胸と顔が近くなります。男性に胸をマッサージさせるよう促すのもよし。キスを重ねるのもよし。体を離して、男性の乳首を刺激してもよし。

男性を自由自在に攻めることができる百閉で、いつもとは違う乱れる女性を演じてみてはいかがでしょう。

騎乗位といえば女性に主導権がある体位。そんな騎乗位にもさまざまなバリエーションがありますが、48手の百閉は特に男性を攻めるのに向いています。

時雨茶臼はピストンの長いストロークと男性から見た視覚的エロスに優れた体位ですが、百閉は女性がピストンをしやすく、上下と前後の動きを使い分けて男性のペニスにアプローチできます。

ワンランク上の百閉を楽しむなら膣の締まりも重要。膣トレで名器は作れます。百閉で男性を骨抜きにしてしまいましょう。

百閉の姿勢から体を密着させれば、男性へ主導権をバトンタッチ。男性は腰を動かしやすくなるので、体の密着感、ピストンのストロークやスピード、挿入感が格段にアップ。

男性の耳元で愛の言葉や官能的な吐息を聞かせれば、興奮した男性は無我無心でセックスに没頭してくれるようになるはず。

セックスは一種類の体位をずっとやり続けるだけでなく、複数組み合わせるとさらに満足度の高い時間が過ごせます。新しい体位にチャレンジするだけでなく、体位の順番を入れ替えたりの工夫もおすすめです。