みんなで作る!シェアハウス恋愛小説新連載!!
ワケありイケメンとルームシェア!?キレイを磨く恋物語
『同居美人』の恋の行方を決めるのはアナタ!
アンケート終了しました!
ストーリー公開は1/12(火)!お楽しみに♪
■同居美人『プロローグ』ストーリー
2015.12/30 up 「ビューティ道場での日々が始まった」
名取 千織(なとり ちおり)と上塚 想子(うえつか そうこ)は、おでんの屋台で出会った。
二人は奇しくも同じ日に失恋していた。
映画配給会社で宣伝職として働く千織は、同じ会社の営業の男性に。
幼い頃からかなり太っていたのを一念発起してダイエットし、告白したにもかかわらず、答えはノーだった。べつに好きな相手がいるわけでないものの、はっきりとはいわなかったが、千織のことが好みではないらしい。
イラストレーターの想子は、とある雑誌で自分のイラストを長年担当し、ひそかに思いを寄せていた編集者に。
想子には二歳年上の超美人の姉がいたが、あるとき彼が自宅に打ち合わせに来てたまたま姉と鉢合わせした際、一目で恋に落ちたと打ち明けられた。
行く場所もなく、また行きたい場所もなく町をさまよっていた二人は、たまたまおでんの屋台を見つけて引き寄せられるように入り、お互いの暗〜いオーラから「同類」だと察して意気投合した。二人とも普段は気軽に知らない人と話すような性格ではないが、ほかに客がいなかったせいも、酒の力のせいもあって、それぞれの失恋事情を話すに至った。
「あーあ。このままだと私またデブに戻っちゃう……ただでさえ少しずつ体重が戻り始めているのに」
と千織が言えば、
「私も……メイクとかおしゃれとかする気がなくなっちゃった。昔から地味だっていわれてたから自分なりにがんばったつもりだったのに、やっぱりお姉ちゃんの前では努力したって無駄なんだ」
と想子がため息まじりに返す。
そんな二人に、突然屋台のお兄さんが話しかけてきた。
「ふっふっふ、お姉ちゃんたち、この屋台に来たのはラッキーだったね。君たちの輝ける未来は、むしろ今日から始まるのかもしれない!」
ビシッとおたまをつきつけてくる。
何をいっているのかといぶかしむ二人に、彼はある「プロジェクト」のことを教えてくれた。
それは女性に人気のさまざまな職業のカリスマたちが、自分たちの技術の向上と、その技術で女性を幸せにすることを目指して行なっている というプロジェクトだった。参加する女性は「ビューティ道場」と呼ばれるシェアハウスに彼らと一緒に住みこみ、24時間体制で指導を受ける。そのため、1からプロデュースさせてくれる(できれば今現在はあまりイケていない)女性を探していたとのことだった。
「カリスマたちは、名前を聞けば女性の多くがときめくメンツ」 というので尋ねてみると、確かにテレビや雑誌でよく目にし、耳にする人たちばかりだった。プロジェクトは、それぞれが抱える過去や女性への特別な思いから生まれたという。
「以前は別々に女性にアプローチしていたんだけど、個別的な技術では一時的に幸せになった女性はいても、トータルで見ると結局バランスが悪くてな。結果、不幸な恋愛に陥ってしまった女性もいた。だから力を結集することにしたんだ」
お兄さんはおごりだというタマゴを二人のお皿に入れながら詳しく教えてくれる。
「もちろん、挑戦者は今までも何人もいたよ。厳しさに脱落してしまった者もいれば、途中で恋が成就して卒業していった者もいた。そういうわけで今はちょうど新たに女性を探していたんだ。どうだい?」
千織と想子は顔を見合わせる。
「ビューティ道場 って……怪しいよね」
「すっごく……怪しい」
お兄さんに聞こえないように、こっそり口を動かす。
そうだ、そんなカリスマばかり集めたシェアハウスなんてあるわけない 。
「お疲れさまー」
男性の声とともに、後ろの暖簾がふいに上がった。
彼を先頭にぞろぞろと男性が入ってきて、椅子に掛ける。全部で六人。
「遅かったじゃん」
「現場が長引いてさー」
「俺は打ち合わせがなかなか終わらなかった」
千織と想子は彼らをよくよく見て息をのんだ。そこにいたのは、今、お兄さんが言っていたと思われる面々だった。
「おっ、新しい同居人候補? やっぱり人探しはお前に頼むに限るね〜、敦」
敦というのは、お兄さんのことらしい。
顔を覗きこんできた男性を前にして、千織と想子はさらに固まる。メイクアップ・アーティスト・有本 悠(ありもと ゆう)だ。テレビの、お笑い芸人の変身企画で見たことがある。本人もそこそこイケメンでトークがうまいから、テレビでも使いやすいのだろう。
「あっ、いやっ! 私たちはまだ何も……!」
千織が慌てて否定する。だが悠は動じてくれなかった。
「へぇ。でも、いったん体験してみたら気持ちが変わるかもよ〜」
言うが早いか持っていた大きなバックを開け、千織にメイクを始める。あまりに自然な流れだったので、普段は負けん気の強い千織は抵抗もできなかった。千織が終わると、次は想子だった。
「はい、いっちょあがりっ!」
出された鏡を覗いた瞬間、二人の息が止まった。
まさか自分がこんなにキレイになれるなんて。
顔がどんどん熱くなる。興奮して、お酒がどんどん回ってくる。
「どう? 来ちゃいなよ、ビューティ道場」
「ふん、いやというのを無理に引っ張っていくことはないだろう。だいたい、どんな相手たちなのかもまだわからないのに」
暗い声で日本酒を呷った男性を見ると、恋愛小説家の福生 正光(ふっさ まさみつ)だった。雑誌などによくインタビューが乗っている。毒舌の恋愛評論で名高い。
「今現在、変わる必要も感じないぐらい幸せなんだろ。はっ、羨ましいよなぁ。だったら私たちにできることは、末永くよろしくやってくれと声をかけることぐらいしかない」
大袈裟に肩をすくめてみせる。
「そんなこと……ないですっ!」
叫んで立ち上がったのは想子だった。
赤かった顔をさらに赤くして、目に涙を溜めている。酔いがさらに回って、興奮の程度がひどくなっているのだ。
「行きます。私……ビューティ道場に行きます……! 行って……変わりたい……! この、千織さんと一緒に!」
「…………私も?」
こうして千織と想子の、ビューティ道場での日々が始まった。
※クリックで投票してください。 |
工藤 宗輔がご案内
風間寛斗がご案内
結城 拓也がご案内
九條将希がご案内
神原レオンがご案内
月野晃がご案内
工藤 宗輔がご案内