『恋欠女子とバーチャル男子』ストーリーH3

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みんなで作る小説!ストーリーH
恋欠女子とバーチャル男子「AI」との恋愛応援物語



タイトルアンケート

■恋欠女子とバーチャル男子ストーリーH

みんなで作る!恋愛応援小説『恋欠女子とバーチャル男子〜AIがあなたのお悩み解決します〜』が新連載としてスタート!アンケートの結果で行方が変わる、恋愛模様に目が離せない!

不思議なアプリ 「バーチャル男子」の開発秘話を公開します!




タイトルアンケート
アンケート


2017.09.04 up 「少しでも近づけるように」

挿絵


 二階堂さんが、転勤辞令を受けた。


(まさか遠距離恋愛の悩みが、私たちにも訪れるなんて……)


 二階堂さんが前の彼女だった明日海さんと別れるきっかけになった遠距離恋愛。私は心のどこかで、「私たちは大丈夫」と根拠もなく安心しているところがあった。


「まあ、会社員なんだから転勤も致し方ないな。二年で本社に帰ってこられる予定らしいし、しばらくは寂しい思いをさせることになるが……」


 どことなく歯切れの悪い口調から、二階堂さんも明日海さんとのことを思い出しているのだろうと伝わってきた。まるで自分に言い聞かせているような言い方でもある。やはり彼も、遠距離恋愛は多少なりとも不安なのだろう。


「でも、見方によってはこれはこれでいい機会なのかもしれないけどな」


 結婚の、とはっきりと付け加える。


 確かにそうだ。私は今まで遠距離恋愛をすることばかり考えていたけれど、仕事を辞めて二階堂さんについていき、彼を支えるという選択肢もあるのだ。


 婚約指輪こそまだ買いに行けていないけれど、二人の気持ちはもう固まっている。


 だが、仕事を辞めるとなると、入社してからこれまでに培ってきたキャリアが一度絶たれることになる。


 再就職制度もあるが、さすがに前とまったく同じように働くわけにはいかないだろう。


 私は今の仕事が嫌いじゃない。好きだ。私の力で、もっともっと成果を出したい、売り上げを伸ばしたい――それこそ、今の二階堂さんのように――という野望もある。


 これから先、妊娠、出産することがあっても、やっぱり何とかして戻ってきたいと思う。そのときのためにも、今、第一線から退きたくない。


(2年なら……頑張れる)


 いつ東京に帰ってこられるかわからないだとか、これからずっと名古屋に住まなければいけないだとかいうんじゃない。


(2年なら、二階堂さんが戻ってくるまで、仕事面でも女性としても自分磨きをしながら待とう)


 そう結論を出し、次の休みに彼の家に泊まりに行ったときに伝えた。


 リビングに上がり、バッグも下ろさず立ったまま、私は彼を見つめた。考え始めたら、切り出せなくなりそうで怖かった。


「将さんのこと、一人の男性としても大好きだけど、仕事の先輩としても誰よりも尊敬しているの。あなたと同じ目線で仕事の話ができるようになることが、今の私の目標。離れている2年の間に、少しでも将さんに近づけるように頑張りたい。だから……東京で待っています」




2017.09.05 up 「心はずっと一緒だよ」

挿絵


 二階堂さんは微笑してうなずいた。


「そう言うと思っていた。それに、そう言ってほしいとも思っていた。お前には部下としても目をかけていたからな。もっといろんなことに挑戦させたいと思っていたんだ」


 近づいてきて私の頭に乗せ、手をくしゃっと撫でる。顔を寄せて、そっとキスをしてくれた。唇を小さな筆でさっと撫でたような、軽くて、でもどこかなまめかしいキスだった。


「小指、出して」


「え?」


 一瞬、意味がわからず首を傾げた私の手を取って、二階堂さんは自分の小指と私の小指を絡ませる。


「お互いに行き来して、月に一度は顔を合わせよう。約束」


「あ……うんっ、約束」


 私はうなずいて、絡ませる小指に力を入れた。


「たとえ離れたとしても心はずっと一緒だよ」


 小指を離さないまま、二階堂さんは今度はもう少し長く、深いキスをした。


***


 翌日、私たちは婚約指輪を買いに行った。


「離れていても、先に渡しておきたいから」


 と、二階堂さんが言ってくれたのだ。今は婚約指輪だけにして、結婚指輪は入籍するタイミングで改めて買おうということにした。


 向かった先は、「指輪を買うなら、ここのお店がいい」と私が以前から言っていたジュエリーショップだ。どのアクセサリーも華奢で可憐で、品がよく、存在感もあって、10代の頃からひそかに憧れていた。


「婚約指輪を探しているんですが……」


 と店頭で二階堂さんが伝えると、店員の女性は「おめでとうございます」と深々とお辞儀をしてくれた。


「どのようなデザインのものがお好みですか」


「えーっと……」


 ダイヤはあるけれど、草原の小花のようにあまり目立たず、アームはそこに吹くそよ風のように細くゆるやかにカーブしていて……。イメージはあるけれど、うまく伝えることができない。デザインについて伝えることは、ここでもやっぱり難しかった。


 それでも女性はさすがにプロで、私の拙い話し方から頭の中にあるものを汲み取ってくれた。


「それでしたら、こういうタイプはどうでしょう」


「わあ……」


 案内してもらったショーウィンドウの前で、思わず溜息が出た。そこに並んでいたのは、どれもこれも、確かにイメージしていたデザインだった。だが、イメージしていたのよりどれもずっと素敵だ。


(ああ、でも結構なお値段なんじゃ……)


 素敵なだけに、ついそんなことも心配になってしまう。


 迷っていると、ショーウィンドウの前で、


「お前が俺のものだって証明する大事な指輪なんだからな。後悔しないものを選べよ」


 二階堂さんはポンと肩に手を置き、耳元で囁いた。


(お、俺のもの……)


 その言葉に、顔がかあっと熱くなる。店員の女性も聞こえていそうなものなのに、こうしたやりとりはなれっこになっているのか、変わらない笑顔を浮かべていた。


 結局決めたのは、私が好きな青系のネイルとも合うデザインだった。サイズの在庫があったので、その場で買って持ち帰った。




2017.09.06 up 「理性が残ってない」

挿絵


 二階堂さんの家に帰ると、二人でキッチンに立ち、夕食をつくった。今日は指輪を買った特別な日ということで、ワインも開けることにする。


 夕食を終わらせて、二人でリビングのソファーに並んで腰掛けた。二階堂さんはさっそく私の左手の薬指に指輪をはめてくれた。


 家の灯りの下で見ると、お店で見たときよりも婚約指輪が身近に見えた。これからもっと「私の指輪」になっていくのだろう。今はいつもの家の風景からぽつんと浮き上がっているようで、少しだけ違和感があるけれど、これからどんどん馴染んでいくに違いない。


(これから、よろしくね)


 と、私は胸の中で指輪にそっと声をかけた。答えるように小さなダイヤモンドが光っていた。


「これで変な虫がつかないな」


「指輪があってもなくても、私には将さんしか見えないから」


「そういうことを言われると、俺、すごく嬉しいんだけど」


 ぐっと肩を引き寄せられて、キスをされる。


「ん……っ」


 まだリビングにいるのだし、すぐに終わる軽いキスだと思っていたのに、キスは長く、しつこく続いた。


「ふぁ……あむ……っ」


 ソファーの背もたれに私を押しつけるようにして、息継ぎもできないようなキスをする。


「あ……っ、ちょ、こんなところで……」


 将さんの手が、スカートを上げて太腿のあたりをまさぐり始めた。手を払っても、またスカートの下に潜り込もうとする。


「我慢できない。俺、もうベッドに行くほどの理性が残ってない」


 腰を持ち上げられて、ふわりとソファーの上に仰向けにされる。


(こんなところで、恥ずかしい……)


 そう思いつつも、抵抗できなかった。


***


 それから1ヶ月後、将さんは名古屋に行った。


 離れていても、毎日メールでやりとりした。仕事に関することはもちろん、毎日の他愛のないことまで。その日食べたランチや、会社の周りで見かけた風景など、私はそれまで以上に日常に目を向けるようになった。私の息遣いを、生活を、少しでも二階堂さんに感じ取ってほしいし、私も感じたかった。


 あるとき、私は社内報の取材を受けることになった。


 テーマは、「次世代のニューリーダー」。確かに私は二階堂さんの異動のタイミングで小さなグループを任され、ほんの数名ではあるがグループを抱えるチームリーダーになった。とはいえ、取材を受けるような立場になれたとは思っていなかったから、意外だった。


『どうしよう、緊張する』


 メールで二階堂さんに泣き言を言うと、


『緊張するぐらいがいいんだ。そのほうが頭の回転がよくなって、質問にもうまいこと答えられる』


 と、フォローになっているのかいないのかよくわからない返事が来た。


 翌月、社内報が発行されると、私のお礼よりも早く二階堂さんからメールが届いた。


『社内報、見たよ。チームのまとめ方については言うことなし。仕事だけでなく、女としても磨きがかかってるな。順調にキレイになっているようでいいことだ』


 いちばん見てもらいたかった人にそう言ってもらえて、ほっと息をついた。




2017.09.07 up 「朝まで待てない」

挿絵


 その月は、私が二階堂さんに会いに行った。


 二階堂さんは早くも街に馴染んでいるようで、同僚から聞いたという美味しいイタリアンレストランを予約しておいてくれた。


 直接向かい合っても、話す内容はメールとそんなに変わらない。でもそれは、とても幸せなことなんだと思う。私たちはメールでも実際に向かい合うのでも、手段に関係なくつながっているんだという気持ちになれた。


 仕事の話もした。


「だから、クライアントの本当の意向っていうのは、先方が提示してこなかったところにこそあるんだ。それを汲み取るには、俺たちのほうが数多くいい広告に触れてセンスを磨くしかない」


 同じような内容のことを以前も話してもらった覚えがあるが、そのときはピンとこなかった。でも、今はお腹の底にすっと届く感じがする。


(成長しないと見えてこない世界ってあるんだ)


 私は今、新しい世界を見ているんだ。そう思うと、わくわくした。


「ところで、チームリーダーになって大変なことはないか」


 気を使ってくれたのか、それまで話を聞く一方だった私に二階堂さんが尋ねる。


「何もかもが大変ですよ。新卒の子とか、もう別の国の人かっていうぐらい話が通じないときがあって……たぶん私の伝え方が悪いんでしょうけど」


 私は遠慮なく悩みを口にした。少し前までは悩みを口にするのは社会人としてよくない、自分で努力して解決するべきと勝手に思っていたけれど、今はそのときよりも少し肩の力が抜けている。自分の弱さを認め、人に甘えられるというのも、逆説的ではあるけれど成長のたまものなのかもしれない。


 でも、誰にでもそんなことをするわけじゃない。将さんみたいに、素直に甘えられる相手だからこそ、つい出てしまう。


「それは、人の上に立ったら誰しも経験することだな。だんだん伝え方のコツがつかめてくるよ」


 二階堂さんはワインを一口飲んで、にっこり笑った。受け止めてもらっている気がして、嬉しくなった。


「甘えられるようになった」のは、ベッドの上でもだった。


 エッチのとき、今までは受け身でいるだけのことが多かったが、だんだん積極的に欲しがることができるようになった。根底では全部つながっているのかもしれない。


「もっと……奥までほしいの……」


 二階堂さんとつながっているとき、もっと深く彼を感じたくて、自分から腰を動かしてしまうこともある。


「んあ、遥……あ……っ、そんなに……締めつけたら……」


 あまり自覚はないが、そんなときの私の「締めつけ」は結構なものらしく、そうやって燃えたときは、二度目まですることになるのが普通になった。彼がすぐにイってしまうからだ。


「ねえ、明日の朝もしようね」


 エッチの後も、二階堂さんの耳たぶを甘噛みしながら囁く。


「俺は明日の朝まで待てないかもしれないけど?」


 二階堂さんも負けじと、私の耳を舐め返してきた。




2017.09.08 up 「幸せになろうね」


 日曜日は、翌日の仕事に支障が出ないぎりぎりの時間の新幹線で帰ることになっていた。


 ずっとイチャイチャしていたくて、どこかに出かけるのではなく、二階堂さんの部屋でのんびりとDVDを見たり、音楽を聴いたりしながら過ごした。


 とくにどうといったことをしているわけではないのに、二人でいる時は充実していて、あっという間に時間が流れてしまう。早くも空が暮れてきて、家を出なければいけなくなった。


「帰したくないな」


「帰りたくない」


 私たちは玄関でぎゅっと抱き合った。部屋の中にいるときから何度も同じやりとりをしている。


 名古屋駅まで、車で送ってもらった。


「じゃあ、来月は東京で」


「うん、将のこと、待ってるね」


 車から降りる直前、頑張って笑顔をつくった。最後までうじうじしていたら、いつまでもそれを引きずってしまう。どうせなら前向きな気持ちで次に会える時を待ちたい。


「寂しくなったらいつでも連絡して。いつでもお前のことだけを思ってる」


 二階堂さんの腕が伸びてきて、ぐっと引き寄せられる。また、キスをした。


 ドアを開けて、駅に向かって歩き出した。


***


 2年はあっという間だった。


 二階堂さんが予定通り東京に戻ってきてから半年後、私たちは結婚した。彼が名古屋にいるときからお互いの両親に会っていたし、式の準備も少しずつ進めていたから、式までは我ながら拍子抜けするぐらい、スムーズに進んだ。


 披露宴には、社内の人もたくさん呼んだ。広報という仕事をしていると、社員と何かと関わることが多い。


 マーケティングでいつもやりとりしている星野大輔くんや、その彼女だという元バイトで新入社員の中里たまきちゃん、グラフィック制作チームの上野雪奈ちゃんやその上司の山県さん、そしてアイ全体のプロジェクトマネージャーである伊川咲さんと、その彼氏だというサブマネージャーの和田恵一さんもいる。


 広報部からも、いつもお世話になっている部長や課長を始め、先輩や同期、後輩が来てくれた。


 行く先々のテーブルで、「おめでとう」「お幸せに」の声に迎えてもらう。私の左手の薬指には、新しい結婚指輪が光っていた。


「来てくれてありがとう」


 心からの気持ちを込めて、お礼を返す。私が二階堂将さんというパートナーとともに、今日という人生最高の日を迎えられたのは、そもそも仕事というフィールドがあったからだ。


(幸せになろうね)


 テーブルを回りながら、私と二階堂さんは何度も目くばせしあった。


挿絵

「おめでとう。これからも仲良くね」


 クールなイメージのある伊川マネージャーも、満面の笑みを浮かべてくれている。


(あれ?)


 でも、気のせいだろうか。伊川さんの表情は、どこか硬い気がした。




シーズン1終了

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タイトルアンケート


● みーた さん
抱きつく


● ゆかさとし さん
月に1回程度お互いに行き来して2年を過ごす。その後結婚するといいです。はるかが私ももっと成長したいので東京で待っていると言う。


● ぺり さん
後ろからぎゅっと抱き締める


● キイロイトリ さん
3年以上〜とかで有れば、退職して彼を側で(結婚まで)支える等 考えるかもしれませんが、 2年なら、彼が戻ってくるまで 自分磨きをしながら(もっとスキルup&魅力upして)待つ 離れている間、社内報等で 互いに スキルupや 魅力upしている事を陰ながら確認し合い、刺激にする


● くろぽん さん
戻ったら結婚しよう!


● ??? さん
「遥のしたいようにしてほしい。たとえ離れたとしても心はずっと一緒だ」


● ??? さん
「一人の男性としても大好きですが、仕事の先輩として一番尊敬しています。あなたと同じ目線で話ができるようになることが、今の私の目標です。離れている2年の間に、少しでもあなたに近づけるように頑張ります」


● ??? さん
ずっと一緒にいてほしい。


● CHiKA さん
遥には仕事に楽しさを見出せたからこそ、もっとステップアップして、彼に公私ともに甘えられるようになってほしい。また、甘えられるようになるみたいな。


● ゆず さん
たまには弱さを見せてほしい。


● りあ さん
帰したくない


● ゆみたん さん
抱きしめてほしい。君だけを見つめて、君だけを想うょ。


● 裕子 さん
遥は二階堂さんと会えない間、仕事で成果を出し、二階堂さん同様てこ入れに地方に転勤。なかなか会えない寂しさはあるが乗り切って、数年後2人そろって戻ってきて、晴れて結ばれる・・・


● 麻里奈 さん
寂しくなったらいつでも連絡してと言ってほしい。





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