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■同居美人プロジェクトAストーリー3

おでん
おでん


2016.2/15 up 「きれいになった」


走る

「……なんか、改めて見ると……きれいになった……かも」


 

心なしか赤い頬で私にそう言ったのは、平野井さんだった。


「そう……ですか?」


 私も少しずつ顔が熱くなってきた。


 毎日顔を合わせているから、何だか余計に照れてしまう。


(うぅん、照れるとか何やってんの、私。平野井さんはあくまでも私がダイエットを

続けられるように励ましてくれているだけだってば)


 そうだ、冷静にならないと。


平野井さんはあくまでもエクササイズ・インストラクターとして言っているだけだ。たぶん。


「きれいなったね。今の気持ちを忘れずにいれば、これからもきっと大丈夫。ちょっとドキドキしてるよ」


「あ、はい……」


 心なしか照れているように見えなくもないけど……うぅん、これも私が失恋した後だからだ。きっと、いろんなことが都合よく見えちゃう時期なんだ。


 あれ、でも……


「頑張ったね」


 平野井さんは立ち上がり、私に近づいた。


 抱きしめられても、おかしくない距離。


 じっと私を見つめる。


 これは……顔が痩せたかどうかのチェックだよね? そうだよね?


「これからも何か相談があったら俺には何でも言ってよ」


「はい」


 それ以外何もいえない。だってこれはただのチェックなんだから、「はい」しかないでしょ?


 平野井さんは私の横をすり抜けて、リビングを出ていった。


翌日、平野井さんは特に何ごともなかったかのように振る舞っていた。つまり、今までと同じように。


私は思う。やっぱりあれは、ダイエットのチェックだったんだと。


あぁ、何を考えていたんだろう。自分が……恥ずかしい。


 ヌレヌレとリビドー ロゼは、思いのほか早く減っていった。


 気に入って、たくさん使っていたからだ。


 同じものが欲しかったが、さすがにもう甘えるわけにはいかない。


 商品名もわかっているのだし、今度は自分で購入することにした。


「えーと、ヌレヌレ……と」


 スマートフォンで商品名を検索すると、化粧品の通販サイトが出てきた。


「へぇ、今、限定商品が出ているんだ」


 ヌレヌレは人気商品らしく、季節ごとに限定バージョンが登場するらしい。


「バナナシェイクかぁ。いい香りで空腹がごまかせそう」


 軽い気持ちで商品説明をさらに読み込んだ私は、小さく息を呑んだ、


(オスモフェリン……? フェロモンを意識した香りの成分……?)


 気になって、リビドー ロゼでも検索をかけてみる。


「うっ、うわぁぁっ!」


 思わず声をあげてしまった。今度のはもっとすごかった。


(ベッド専用香水っ!?)


 どうやらヌレヌレも、リビドー ロゼも、男性の「そういう気持ち」をこちらに向ける作用があるらしい。


(平野井さんは、どうして私にリビドー ロゼとヌレヌレを……?)


 スマートフォンを握りしめたまま、私はしばらく動けずにいた。




2016.2/16 up 「妙に胸が高鳴ってしまった」



走る

「えっ、ヌレヌレリビドー ロゼをもう千織ちゃんに渡しちゃった!?」


「うん。彼女、少しイライラしていたから、渡すなら早いほうがいいと思ってさ。そういえば何か使い方について説明があるって言っていたよな」


「説明も何も……」


 メイクアップ・アーティストの有本悠から、ヌレヌレリビドー ロゼの説明を改めて聞いた俺、平野井大樹は愕然とした。


「男の気持ちを惹きつけるコスメ……?」


「そう。これは俺の意見だけど、多少はそういう実感があったほうが美容にはプラスになると思うんだ。でも、だからこそちゃんと使い方を事前に説明しようと思ってたんだけど……」


「そういうことだったのか」


 考えなしに行動してしまった自分を恨んだ。イケイケは俺の真骨頂ではあるが、これはマズイ気がする。


 俺と悠はお互いの仕事でなかなか顔を合わせられないでいた。今日、久々にオフが重なって、「そういえば悠がヌレヌレリビドー ロゼのことで何か話したいって言ってたな」と思い出したのだ。


「千織には正直に話すことにする」


 俺が言うと、悠は「それがいい」とうなずいた。


(まずい……)


 部屋に戻ると、昨夜のことを思い出して、一人で頭を抱えた。


 夜のリビングで偶然二人だけになったのをいいことに、俺は千織ちゃんにあることを告げようと思っていた。


 ずっと考えていたが、彼女のことを考えるとなかなか言い出せなかった、あること。褒め言葉を交えて言えば、彼女も素直に受け止めてくれるんじゃないかと考えていた。


 やはり、いざ彼女を目の前にすると迷ってしまった。それは話そうとしていることの内容のせいがいちばん大きくはあったけれど、なぜか妙に胸が高鳴ってしまったためなのも、少し、あった。


 少し暗いところで見た千織ちゃんは以前よりも痩せて、きれいになっていたから。


 顔が赤くなっていた感覚もある。あのときの俺を千織ちゃんはどう思っただろうか。


 翌日顔を合わせたときには何事もなかったかのように振る舞ったが、それでもいぶかしんでいるのではないか。


 千織ちゃんが思いつめたような顔で俺の部屋を訪れたのは、その日、彼女が帰宅してすぐだった。


「あのコスメのこと、私、知っちゃったんです。平野井さんはどうしてあれを私に……?」


 普段ははきはきした千織ちゃんの声が沈んでいる。


「じつは……」


 俺は正直に打ち明けた。もともとちゃんと謝ろうと思っていたことだ。


「本当に申し訳なかった。変な男に言い寄られたりしなかった?」


「いえ、それは大丈夫です。でもよかった。そういうことだったんですね」


 千織ちゃんには意外にも明るく反応した。肩から力が抜けたのがわかる。確かに男からそういう効果のあるものを渡されたら、真意がわからない限りは不安だろうから、うっかりミスが原因だったと知って多少は安心したところがあるのだろう。


「でもいい香りだから、これからも使いたいな。使いどころを考えるようにします」


「うん、ごめん」


 千織ちゃんは立ち上がって出ていこうとした。とりあえずは一件落着、ということでいいのだろう。


 が、彼女はドアの前で振り返った。


「平野井さん、あの……念のため確認したいんですけど」


「ん?」


「リビングで二人で話した日、私に何か言いたいことがあったんじゃないかなと思って……」


 全然、落着していなかった。




2016.2/17 up 「新しい自分と出会ってしまった」



走る

「じつはね……」


 私は平野井さんから思いも寄らないことを打ち明けられた。


「これからは筋肉路線でいかないか?」


「……………………は?」


 きんにく?


「うん、あのね、これは褒めているつもりで言うんだって、ちゃんとわかってほしいんだけど」


 平野井さんは立ち上がり、私に近づく。


 そして、じっとこちらを見つめた。


 昨日と同じだ。


「千織ちゃんはもともと太りやすいというより、より正確にいうと体重が落ちにくい体質なんだ。それは筋肉がつきやすいタイプだから。筋肉って重いから、どうしても体重自体は減りづらくなるんだよ」


「は、はぁ」


「これは俺の意見だから、最終的には千織ちゃんが決めてほしいんだけど、千織ちゃんは単なる細さだけを目指すより、ちゃんと筋肉とつけたメリハリのある体をつくったほうがきれいになれる気がする。背も低いほうじゃないから、ハリウッド女優みたいになれると思うんだ」


「ハ、ハリウッド女優!?」


「路線的にってことだよ。実際、ここしばらくのトレーニングでうっすらとだけど筋肉がついて、俺はきれいになったと思うし」


「きれい……」


 昨日のことを思い出して照れてしまいそうだったが、意識して平静を保つ。


「こういうこと言っても喜ばない女の子も多いから、言うのをずっと迷っていたんだ。あくまでもひとつの意見として聞いてよ」


「……わかりました」


 あまりにも意外な流れに呆気にとられてしまう。


 昨日、平野井さんはこれを言いたくて様子がおかしかったのかと思うと、少しだけがっかりしそうになったけど、


(あれ、でも、「きれい」っていうのは、本当なんだよね)


 また顔が熱くなりかけた。


「まぁ、路線変更なんてすぐには決められることじゃないと思うんだ。ゆっくり考えてよ」


 あまり長く留まっていても逆に平野井さんに悪い気がしたので、私は「そうします」と返事をして自分の部屋に戻った。


 今まで想像したこともなかった自分像だったので、しばらくぼんやりしてしまったが、結論はすぐに出た。


(やってみよう)


 自分のガンコで気が強い性格を考えると、ただ細いだけよりもずっと合っているんじゃないかと思う。ハリウッド女優はさすがに目標としてはハードルが高すぎだけど。


 何だか、新しい自分と突然出会ってしまった気分だ。


 それに最近は、想子ちゃんがどんどんきれいになっているのが、うれしくも気になってもいた。


 悠さんと一緒にお姉さんに会って何か話したという想子ちゃんは、それから一皮剥けたようになっていた。


 置いていかれてはいけない、どこかでそんなふうに感じている。


「平野井さん、私、やります」


 翌日、そう答えると、平野井さんはうれしそうにうなずいた。


 こうして、私たちの新たなトレーニングが始まった。




2016.2/18 up 「いろんなステップが楽しい」



走る

 筋トレを足すようになったトレーニングは以前よりもハードだったけれど、充実感は比べものにならなかった。


 考えてみれば、今まで私は誰かのためや、何となく世間一般のウケを狙って痩せたがっていただけのような気がする。自分がそうしたいと思ってしていたわけではないのだ。


 でも、今度は違う。


 これが自分に合っているんだろうと思えるし、だからこそそうなりたいと思う。


 その結果モテたり、誰かに好きになってもらえるのなら、それに越したことはない。


 最近楽しみな時間は、シャワーを浴びた後に鏡を見ながら、プエラリア・ハーバルジェルを肌に塗り込むことだ。


いつか手に入れられるはつらつとしたボディには、ぷるぷるの肌が合うと思う。


そのいつかは、それほど遠い未来ではないこともわかっている。だからお手入れだけでなく、いろんなステップが楽しい。


ハナビラ洗顔美容液もお気に入りだ。キメの細かい、「可憐」という言葉が似合う肌になる。


筋トレなんてやってるからこそ、女性らしさは忘れたくない。


あるとき、廊下で福生さんとすれ違った。


「この間はキツい言い方をして、すまなかった。頑張っている成果が出ているみたいだな」


彼がぽつりと口にしたその言葉に、私は自分の耳を疑った。


思わず彼をまじまじと見てしまう。


福生さんは困ったように、照れたように、目を逸らした。


「福生さんのおかげですよ」


 私はとびきりの笑顔を向けてやった。


 自分の心に晴れた青空の下に広がる野原のような余裕があるのを、自分で感じられる。


「あのときキツいことを言ってくれたおかげで、絶対に負けられないって思ったんです。そこから全部始まったから」


「感謝なんて、される筋合いはない」


 福生さんは苦笑した。


 ふと、今なら近づけるのではないかと感じた。


「あの、どうしてああいうことを言ったんですか? 何か私の行動に気に入らないところがありましたか?」


 福生さんの動きがぴたりと止まる。


 空気が張りつめたのがわかった。 


「機会があったら話すよ。とにかく今回は悪かった」


 無表情でそれだけ言って、彼は去っていった。


 平野井さんに何かお礼をしたい。


 今さらすぎるけれど、そう思い立った。


 今、私は理想とする自分像にまっすぐに向かうことができている。像を見つけることができたのも、そこを正しく目指せているのも、全部平野井さんのおかげだ。


(とはいっても、平野井さんって何をあげたら喜んでくれるんだろう。平野井さんと仲のいい人に聞いてみようかな)


 平野井さんと仲がいいといえば、ウェディング・プランナーの小島泰明さんだ。


 小島さんに相談すると、彼もちょうど退職する同僚にプレゼントを渡したいから買いに行く予定があったということで、一緒に買い物に行くことになった。


(やった!)


 小島さんは憧れの人だ。私は胸の中でひそかにガッツポーズを取った。




2016.2/19 up 「自分の気持ちがわからなくなる」



「やっぱり毎日使えるものがいいんじゃないかな」


「毎日使うというと……平野井さんだったらタオルとかでしょうか」


「いいね、大樹の好きな色だったら喜んでもらえると思うよ」


「好きな色……何でしょう」


「以前、緑が好きだって言ってたな」


 小島さんと相談して、平野井さんにはシンプルだけど質も品もいいブランド物のタオルのセットを贈ることにした。色は緑系統がたくさん入っているものを。


 小島さんのほうのプレゼントは買うものが決まっていたらしく、買い物はあっさり終わった。


「軽く1杯飲んで行こうか」


「いいですね!」


 その案に飛びつく。カリスマの人と二人だけで飲むのはそういえば初めてだ。それが小島さんだなんて、うれしい。


 百貨店の近くにあったバーで、私たちは乾杯した。


 話題は、主にお互いの仕事についてだった。


「正直いって、プレッシャーはあるよ。最近はだいぶ慣れたけど、まだたまに夜眠れない日もある。結婚式の規模は関係ないんだ。誰にとっても人生で一回限りのイベントだって考えると、どんな式でも絶対に手は抜けない」


「だけど、いやなお客さんとかいないんですか? いやなお客さんだったら、多少は手抜きしたくなったりしません?」


「それはそれ、これはこれだからね。公私混同はできないよ」


「確かに、私も自分があまり好きじゃなかった映画だからといって、宣伝は手を抜けません」


「だろ?」


 お酒が回ってくると、話題が変わってきた。


「最近、千織さんは本当にきれいになったよね」


 いきなりストレートに褒められると、かえって照れないものだ。ストレートすぎて、社交辞令なんじゃない? と思ったせいもある。


「ありがとうございます。全部平野井さんのおかげですよ」


「ダイエットの成果に加えて、誰か気になる人ができたんじゃないのかなって思ってたんだよね」


「え……」


 思わず固まってしまう。何と答えていいのかわからなかった。


「そそそ、そんなことないですよ!」


「そう。それならそれでいいんだけど」


 小島さんはあまり深く追及しなかった。


 1杯だけと思って飲んだお酒だったけれど、人と飲んだのが久しぶりだったのもあって、気がつけば4杯も飲んでいた。


 私はお酒があまり強くない。カクテルでも4杯も飲めば酔ってしまう。


 案の上、家に入るときに転びそうになった。


挿絵

「あぁ、大丈夫?」


 小島さんが支えてくれる。


「す、すいません、大丈夫です」


 舌を噛んでしまったのは、まるで抱きすくめられるような格好になったからだ。


 体が熱い。いつまでもこのままでいたいと思ってしまう。


 でも、何とか体勢を整えようと前を向く。


「…………っ!」


 息を呑んだ。


開けた玄関の向こうに、平野井さんがいて、こちらをじっと見ていた。


「あ、わ、私……っ」


慌てて小島さんから離れようとして、また、もう一度はっとする。


どうして見られて焦っているの?


どうして離れようとするの?


自分の気持ちがわからなくなる。


 私はとっさに、「まるで言い訳をするように」、彼に顔を向けた。



シーズン1終了

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